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独り言のようなブログだよ

ちょっとした妄想と日常と少しの現実逃避とMr.Children

小説

短篇9「残り物」

「へぇー私をモデルにね……」 相変わらずのジーンズ姿の吉岡瑞穂は唇をつぼめて、俺の顔を睨みつけた。 「君を撮りたいんだ」 「自分で言うのもなんだけど、すごいブサイクなわけでもないけど、すごい可愛いわけでもないよ私の顔」 「可愛いとか可愛くないと…

短篇8「残り物」

クリスマス 俺の好きな映画はクリスマスのイギリスが舞台でオムニバス映画だった。よく父親が見てたもんだから、すっかり自分も好きになった。そんな映画を某レンタルショップで借りて2人で見た去年のクリスマス。 あのときぐらいだろう、彼女がはっきりと好…

短篇7「残り物」

残り物には福がある そう言ってた、あいつの言葉通り、俺らのバンドは最後のステージに立っていた。 最初は少し気分が乗らなかった。女の子がボーカルで、周りが男で固められてて、うさんくさいバンドみたいな組み合わせはちっとも惹かれるところがなかった…

短編6「残り物」

彼女の部屋と自分の部屋、どちらで身体を重ねた方が、興奮するのか、なんてこと考えながら、俺は春歌のベッドの上に横たわっていた。隣では、目を開けてるときには考えられないぐらいおとなしい寝息をたてながら、ギュッと俺のシャツの裾を握りしめてる春歌…

短篇5「残り物」

「それでは、簡単に自己紹介をお願いします。」 「はい、〇〇大学、経済学部、国際経済学科、桜井悠太郎です。好きなものはビートルズ、趣味はベース演奏で、大学の友人とバンドを組んでます」 「そうですか、では、あなたのバンドメンバーの立ち位置を教え…

短篇4「残り物」

眠れない そんな夜が続いてる 少しずつ、季節は夏に変わろうとしてる中 教育実習を終えた春歌が大学に帰ってきた。 そして、俺たちはあっさりと逃しててはいけないものを逃してしまった。 「あー家に帰れないよー」 「……すまん」 休日ダイアと平日ダイアを間…

短篇3「残り物」

残り物には福がある。 なんて、ことわざを信じていいのか、1番最後に引いたクジは見事に大トリを引いてしまった。 「やばいやばい!ウチらラストじゃん!トリじゃん」 高揚した声で話すのはうちのバンドのボーカル、中井りか、AV女優みたいな名前だが、見た…

短篇2「残り物」

家族写真はいつだって 和やかに 色あせずひとりで暮らす部屋の中 微笑んでいるのです妹を抱いた母親と真面目過ぎる父親とまるで昨日のことのよう まるで昨日のことのよう 「おはよー」 イヤホンに手をかけ、コツコツとなる足を止めて振り返る。あの歌が2番に…

短篇「残り物」

「そういえば、悠太郎と出会ったのってもう3年も前になるんだっけな」 そー口を開いたのは、どことなく、有名バンドのボーカルから身長だけを小さくしたような友人、北村 亮太だった。 こいつは大学でできた数少ない友達であり、なんとなく嫌いになれないの…