SHIINBLOG

今日だけは、僕のもの

映画とミスチル好き。夢は女子大生になること

今日だけは、僕のもの

久しぶりに外に出る。太陽は怖いぐらい眩しくて、僕の影を延ばしていく。

仕事を辞めてから、友人と会うとき以外は引きこもりがちだった。

 

東向きの僕の部屋は、目を覚ます頃には、少し薄暗く、クーラーはフル稼働。僕にとって、そこは、とても居心地のいい場所。

 

すこし前に、テレビから流れる平井堅の新曲を聞いて、泣きそうになった。あの頃は満たされてると思い込んでいたけど、あの歌声は、俺の心の1番大切な部分を刺激した。

 

「お客様にお詫び申し上げます。13時55分発の電車は乗り場が変更になります。」

JRの職員は遅れているわけでもないのに、謝った。世界はごめんなさいに満ちてる。

 

僕は謝るのが嫌いというわけではない、どちらかというと、物を拾ってもらっても、すみません。優しくしてもらっても、すみません。最初の合言葉はすみませんだ。

 

日本人は、謝るのが口癖だったりする。

外国人なら間違いなく、センキューだ。

なにも、謝る必要もない、むしろ、「ありがとう」と言うのが正解なのに、なぜか謝ってしまう。

 

もう少し、世界を僕のものにしてみてもいいじゃないか。

 

電車に乗り込めば、僕の前には、決して、オシャレとは言い難い、高校生カップルがいた。

 

でも、彼らの世界は彼らのものなんだ。

 

僕は少し前まで、不登校支援というお仕事をやっていた。

不登校の子どもが、保健センターの部屋にやってきて、僕らと遊んだり、会話したり、勉強したりして、コミュニケーションを取ることを目的にしている。

 

働いてるときは、彼らの気持ちをわかったようなふりをしてた。別に学校なんて行かなくていい、僕はそう思ってた。

確かに、無理していく必要はないと思う。

ただ、自分が無職となり、完全に社会から弾き出された瞬間に、とてつもない不安に襲われる。

多分、彼らもそうだ。きっと今もずっと悩んで苦しんでる。なにも、することのない、人間は未来について考えて絶望して、過去のことを思い出して、後悔して、今、鏡の前の自分を殴りたくなる。

 

彼らはそんな不安を抱えながら、僕らの前で笑ってみせた。

僕は優秀な人間じゃない、バカなことをやって、笑わせてた、それもつもりなのかもしれない。笑ってくれてたなら、きっと彼らはとても、硬い心で生きてる。その心をやわらかくできれば、いいのにな。

 

僕はこれから先、趣味を作ろうと思う。

その趣味がそれなりの生きがいといえる人間になって、いつの間にかその趣味で知り合った、背が高くて、目元がやさしくて、少し間抜けだけど、僕よりよっぽどセンスのある女性と出会って、お付き合いできるかもしれない。

 

そこで、彼女にカレーを振る舞ったら、僕のカレーは辛いと、少し怒りながら、ハチミツをかけるのだ。その光景に少し腹をたっていたら、彼女が「子どもができたら、小学校卒業するまで、私がカレー作るからね!」と言われて、次の日、寄せ集めたお金で、小さな指輪を買いに行く未来ならそれ以上の素敵なことはない。

 

今日だけは、僕のもの

 

この23歳になる日々をこれから先、忘れることはないだろう。

 

どうにでもなる。なんとかなる。じゃなくて、どうにかしよう。なんとかする。で生きてみる。

 

ちょうど、最寄り駅に今着いた。さぁ、踏み出そう。